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michianri

Author:michianri
せつない 想い…
つたない ことばたち…
やりきれない 心…

『詩片日記…薔薇園…片想い』

第一章『詩片日記』
surrealiste
 hypochondrie
    ~prologue
       灰川道緒

第二章『薔薇園』
     
       鵜沓 綾

第三章『片想い』

       野川美千夫  

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design by Echizen
photo by mizutama

せつない ラヴレター つたない ことば やりきれない 日々… 


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 わたしはひとり暮らしだったけれど、一匹ほど、変わった顔の猫がいた。「ライ」と呼んでいたが、例えると、黄土色とチョコレート色と黄色と黒と白を顔の上に垂らして、シャンプーしたような、つまり絵の具箱のなかでミキサーにかけたような猫だった。その「ライ」と二人暮らしだったが、前のお屋敷跡にマンションが建つという噂に、少し、いや、正直に言うと、大いに憤っていたのだ。まあ、三階建てぐらいのアパートならまだ許せるけれども、十五階建てのマンションアパートと聞いて、ああ、わたしの理想郷的暮らしも終わりだと、思ったのだ。だってそうでしょ!北側で日照権の問題はないとしても、玄関へ出るたびに、眼の前の十五階建ての壁を見上げて、ため息をしなくちゃならない生活なんて、わたしをどん底に突き落とすもっともいい方法と考えられたから…少なくとも、お屋敷の周りの美しい樹木でもあれば、わたしの眼に入る景観も、マンションの住人にとっても、多少はましだと思えるのに、無残にも、ばっさりと、すべて切られてしまった。でも、きっとこの建設会社には天罰が下るだろうと、わたしはいいほうに考えた。
 あきらめのつかない行為だったけれども、まあ、仕方ないかな、わたしの土地でもないし…わたしの土地だったら、今頃はいにしえのような「薔薇園」にして、町の人に開放し、楽しんでもらっていただろうけれど…わたしごとき、貧乏絵描きがなにを叫んでみたところで、受けとめた大きな矢を、へし折るだけの力もないな、と思って、わたしはそのことはできるだけ考えないようにした。


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