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michianri

Author:michianri
せつない 想い…
つたない ことばたち…
やりきれない 心…

『詩片日記…薔薇園…片想い』

第一章『詩片日記』
surrealiste
 hypochondrie
    ~prologue
       灰川道緒

第二章『薔薇園』
     
       鵜沓 綾

第三章『片想い』

       野川美千夫  

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(c) 片想い…
design by Echizen
photo by mizutama

せつない ラヴレター つたない ことば やりきれない 日々… 


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「鵜沓さん、鵜沓りょうさん、起きて!」わたしの大好きな、白い人々がやってきた。またわたしの身体をすみずみまできれいにして!棒のような、わたしの身体!ん?先生だ…先生がいる。白衣のポケットに手をつっこんで、白い人々を監視している…
「鵜沓さん、退院ですよ、さあ起きて!」わたしが退院?じゃ病院にでもいるのだろうか?ああ先生!先生はわたしの先生?ねえ先生、わたしどこか悪いのですか?悪かったのですか、もう退院してもよろしいのですか?…
「さあ、着がえましょうね…かわいいお洋服がとどいていますよ!」
 白いひとりが、わたしを裸にして、服を頭の上からすっぽりとかぶせた。
 …わたし、かわいい?そうかわいいの…ちっとも見えないけれど、ちょっとあなた、じゃまよ、先生が見えない…あ、この白い人たちは、看護師だったんだ、いま気づいたわたし。みんなてきぱきと、わたしの身体も器械も、ベッドも部屋も、なにもかもかたづけた。ほんとうに手際よく…ばいばい、さようなら先生、さようなら白いみなさん…つーとすべっていくわたし。なんだか、気持ちいい…ドアを、廊下を、赤いランプを、人々を追いこして、わたしはすべった。ゲートが開き、箱のなかでストップ…ああ、落ちる!気持ちいい…どこまでも落ちて!ずーと落ちて…落ちて…止まった。ゲートが開き、スカイブルーのまぶしい世界へ放り出されたわたし…いい気分!少し眠ろうね、こんなにいい気持ちなんだから、揺れるベッドのなかで……

 わたしはベッドのまま運ばれた。そして、ベッドのままお家へついた。わたしのお家、白い壁、赤い窓、母の顔…ただいま!帰ったの、「りょう」が帰ったよ…だれもいない、だれひとりいない、お家…そうだ、みんな、みんな死んでしまったのだから、だれもいないね、ちょっと看護師さん、ひどくしないで、そう、ゆっくりね、ここよ、ここ、母のお部屋…
 わたしは母の部屋へベッドのまま入っていった。もうひとつベッドがあった。ミントブルーのシーツがふくらんで、だれか眠っていた。だれ?わたしはたずねた。答えはなかった。おなじミントブルーの医務服を着た看護師が入ってきて、白い看護師と少し言葉を交わして、わたしのそばへやってきた…
「りょうさん、こんにちは…」…なぜか懐かしい気持ちがした。わたしの心のなかに、グジュッと音をたてて、なにか生あたたかいゲル状のものが流れ込んできた。
「これからわたくしが、おふたりのお世話をさせていただきますね」…なんで、なんで、なんで「あや」なの、「あや」がいるの?この声は「あや」じゃない!わたしの眼ではよく顔は見えなかったけれど、声はたしかに「あや」の声だった…あや?あや?あやじゃないの?…

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