FC2ブログ

プロフィール

michianri

Author:michianri
せつない 想い…
つたない ことばたち…
やりきれない 心…

『詩片日記…薔薇園…片想い』

第一章『詩片日記』
surrealiste
 hypochondrie
    ~prologue
       灰川道緒

第二章『薔薇園』
     
       鵜沓 綾

第三章『片想い』

       野川美千夫  

カテゴリ

小説ブログ 長編小説へ
            人気ブログランキングへ              

リンク

このブログをリンクに追加する

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSリンクの表示

最新トラックバック

最新記事

最新コメント



(c) 片想い…
design by Echizen
photo by mizutama

せつない ラヴレター つたない ことば やりきれない 日々… 


上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 あやは、両親に許可をもらい、時々わたしたちのところへ泊まりに来た。わたしは、あやがいると、心が弾んだ。なんと言うのか、心が二倍になったのだ。よろこびも、怒りも、悲しみもすべてが二倍になった。
 通学も楽しかった。ふたりの世界で、たくさんのおしゃべりをした。わたしたちは、離れて育ったのに、持っている本、今までに読んだ本、好きな画家や音楽家、そのすべてが一致した。学校の終るのが待ち遠しかった。退屈で意味のない授業が延々と続くのを耐えるのは、容易ではなかった。早くあやに逢いたかった。逢ってあの白くて長い指をわたしの指にからませたかった…あや!時々授業中に独り言をした。となりの生徒がそれを聞いて、変な眼で睨んだ。もうわたしには、あやと逢うためだけの通学でしかなかった。
 わたしの我慢もとうとう限界に達した。型どおりの先生たちの授業は受けるに値しなかった。
「こんなもの、箸にも棒にもかからないって言うんだ!」わたしが大声で叫ぶと、先生のチョークがわたしめがけて飛んできた。ほかの生徒たちは、大いにはやし立てて、わたしの味方をした。このときばかりは、先生対生徒の戦争になった。箒を持ってくるもの、バケツを鳴らすもの、男子生徒は先生に靴を投げつけた。女生徒たちは手を叩いて喜んだ。くだらない授業をぶち壊す快感なのだ。幾日も幾日にも亘って蓄積したみんなの鬱憤が噴き出したのだ。
 わたしはそっと教室を抜け出して、あやを心で呼んだ。あやが答えた。空から赤い葉が舞い降りてくるんだ、いつも。わたしは駅のホームに急いだ。あやはもう来ていて、わたしを待っていた。
「りょう!」
「あや!はやかったね」
 わたしたちは電車に飛び乗り、発車を待った。ベルが鳴った。ドアが閉まった。ドアの向こうに教頭の顔が見えた。電車のガラス窓をバンバン叩いている。わたしを追ってきたのだ。馬鹿なやつめ!ハハハ…ふたりして笑ってやった。


comment

ブログ管理人のみ

trackback
 あやは、両親に許可をもらい、時々わたしたちのところへ泊まりに来た。わたしは、あやがいると、心が弾んだ。なんと言うのか、心が二倍になったのだ。よろこびも、怒りも、悲しみ...
- 05.19.2012 04:07

trackback_url

http://tensey.blog12.fc2.com/tb.php/245-005619cd
| HOME |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。