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michianri

Author:michianri
せつない 想い…
つたない ことばたち…
やりきれない 心…

『詩片日記…薔薇園…片想い』

第一章『詩片日記』
surrealiste
 hypochondrie
    ~prologue
       灰川道緒

第二章『薔薇園』
     
       鵜沓 綾

第三章『片想い』

       野川美千夫  

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(c) 片想い…
design by Echizen
photo by mizutama

せつない ラヴレター つたない ことば やりきれない 日々… 


 …母がわたしの手を握ったまま、ベッドに頭を置いて眠っていた。優先生はキッチンでなにか作っている音がしていた。鼻歌を歌っているのか、いやな高い音が聞こえていた。母の手をふりほどき、そっとベッドから出て、優先生を覗きに行った。やはりなにか料理をしているんだ、それもいやな臭いの。鼻歌もひどかった。聞けたものじゃなかった。まだガラスと爪のこすれる音のほうがましだった。わたしはそのようにしてやった。ダイニングのガラス戸に爪を立てて、いい音をさせてやった。優先生がこっちを見た。でも、なにも見なかったように、また自分の作業を続けた。どういうことだ?無視するなんて!灰川家ではありえないことだろ!え?灰川?…わたしは灰川礼か?灰川道緒か?…わたしは…わたしは?…ふたたび、眼が回り出した。あまりの回転の速さに、わたしはわたしが何者でもよくなった。わたしはわたしなのだから、佐々木優子でも、母でもないわたしなのだから、だからわたしは、ここにいるのだ、この家、この場所、この床の一点にいるのだから…ガラスに爪を立てて、あの女をにらんでいるわたしが…わたしが見えた…遠くなってゆく…ああ、あれは、わたしの、お家…

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 …母がわたしの手を握ったまま、ベッドに頭を置いて眠っていた。優先生はキッチンでなにか作っている音がしていた。鼻歌を歌っているのか、いやな高い音が聞こえていた。母の手を...
- 03.30.2012 20:56

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