FC2ブログ

プロフィール

michianri

Author:michianri
せつない 想い…
つたない ことばたち…
やりきれない 心…

『詩片日記…薔薇園…片想い』

第一章『詩片日記』
surrealiste
 hypochondrie
    ~prologue
       灰川道緒

第二章『薔薇園』
     
       鵜沓 綾

第三章『片想い』

       野川美千夫  

カテゴリ

小説ブログ 長編小説へ
            人気ブログランキングへ              

リンク

このブログをリンクに追加する

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSリンクの表示

最新トラックバック

最新記事

最新コメント



(c) 片想い…
design by Echizen
photo by mizutama

せつない ラヴレター つたない ことば やりきれない 日々… 


上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 …母がわたしの手を握ったまま、ベッドに頭を置いて眠っていた。優先生はキッチンでなにか作っている音がしていた。鼻歌を歌っているのか、いやな高い音が聞こえていた。母の手をふりほどき、そっとベッドから出て、優先生を覗きに行った。やはりなにか料理をしているんだ、それもいやな臭いの。鼻歌もひどかった。聞けたものじゃなかった。まだガラスと爪のこすれる音のほうがましだった。わたしはそのようにしてやった。ダイニングのガラス戸に爪を立てて、いい音をさせてやった。優先生がこっちを見た。でも、なにも見なかったように、また自分の作業を続けた。どういうことだ?無視するなんて!灰川家ではありえないことだろ!え?灰川?…わたしは灰川礼か?灰川道緒か?…わたしは…わたしは?…ふたたび、眼が回り出した。あまりの回転の速さに、わたしはわたしが何者でもよくなった。わたしはわたしなのだから、佐々木優子でも、母でもないわたしなのだから、だからわたしは、ここにいるのだ、この家、この場所、この床の一点にいるのだから…ガラスに爪を立てて、あの女をにらんでいるわたしが…わたしが見えた…遠くなってゆく…ああ、あれは、わたしの、お家…

comment

ブログ管理人のみ

trackback
 …母がわたしの手を握ったまま、ベッドに頭を置いて眠っていた。優先生はキッチンでなにか作っている音がしていた。鼻歌を歌っているのか、いやな高い音が聞こえていた。母の手を...
- 03.30.2012 20:56

trackback_url

http://tensey.blog12.fc2.com/tb.php/231-568595c7
| HOME |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。