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michianri

Author:michianri
せつない 想い…
つたない ことばたち…
やりきれない 心…

『詩片日記…薔薇園…片想い』

第一章『詩片日記』
surrealiste
 hypochondrie
    ~prologue
       灰川道緒

第二章『薔薇園』
     
       鵜沓 綾

第三章『片想い』

       野川美千夫  

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(c) 片想い…
design by Echizen
photo by mizutama

せつない ラヴレター つたない ことば やりきれない 日々… 


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 母が窓からこちらを見ていた…ああ、ひさしくベッドに寝たままだった母が、立ちあがって窓のところへ行き、わたしが高校へ再入学の手続きに行って帰るのを、待っていてくれたのだ。母はやさしい顔で、わたしを迎えた。窓をはさんで、わたしたちは手をとりあって、左右に揺らした。
「お母さん…起きて大丈夫?」
「ええ、今日はお天気もいいし、お庭に出てみようかと思って…」
 母は、ずいぶん痩せてしまった。夜着で見えないけれども、肌と布のあいだに空気の漂っているのがわかった。
 わたしは母の腕に自分の腕を回して、テラスから庭へ出た。もう長い雨も上がり、水分をいっぱいに含んでかがやいている緑が、庭中に充満していた。木々のいい香りもした。わたしは夏休みが明けてからふたたび高校へ行けるようにしてもらった。校長が灰川家の遠い親戚で、ずいぶんと灰川の寄付で援けて貰ったと、わたしに率直に話してくれたのだ。わたしは学校が好きだったし、母の身体もだいぶん良くなってきたし、私自身の心の埋没もおさまっていた。


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