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michianri

Author:michianri
せつない 想い…
つたない ことばたち…
やりきれない 心…

『詩片日記…薔薇園…片想い』

第一章『詩片日記』
surrealiste
 hypochondrie
    ~prologue
       灰川道緒

第二章『薔薇園』
     
       鵜沓 綾

第三章『片想い』

       野川美千夫  

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せつない ラヴレター つたない ことば やりきれない 日々… 


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 呼び鈴が鳴った。わたしは玄関に出た。小包だった。
 母に渡すと、母は、静かにそれを開けた。母の伯母という人からのものだった。母の病気を知って、お見舞いの品物を送ってきてくれたのだった。手紙が添えられていて、それを読んだ母の眼から、大粒の泪がこぼれた。泪は、震える手紙を濡らした。
 母親の形見が、小包に入っていたのだ。わたしの祖母の名は、鵜沓涼子といって、母とずっと暮らしていたが、母がこちらに来てからは、ひとりでの日々を送っていた。そして、伯母に形見を託して、淋しく亡くなっていったのだ。母はそのことを悔やんでいた。最後まで母親といっしょにいてやれなかったことが、母の一生の後悔となっていた。わたしも後でこのことを聞いて、母が、どれだけ悔やんだかを、察することができた。
 母は、わたしの祖母のことを、ときおり話してくれた。女手ひとつで自分を大学までやり、好きな美術を学ばせてくれたことや、母親も植物が好きで、いっしょに薔薇を育てたことや…わたしの母がそうであるように、祖母も母を、深い愛情で見守ってくれたことを。
 わたしはやはり、幸せなのかもしれない。いつも自らの淵に落ち込んで、悲劇の主人公を演じるのは、今日でやめようと思った。それよりも、母のそばにいて、母の力になり、母のためになにかしようと思った。
 それには、母の果てしない哀しみ、わたしには見せまいとする哀しみが、なぜあんなにも濃く、心の底に澱んでいるのかを、突きとめなければならなかった。母のために、いや、わたし自身のために!


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