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michianri

Author:michianri
せつない 想い…
つたない ことばたち…
やりきれない 心…

『詩片日記…薔薇園…片想い』

第一章『詩片日記』
surrealiste
 hypochondrie
    ~prologue
       灰川道緒

第二章『薔薇園』
     
       鵜沓 綾

第三章『片想い』

       野川美千夫  

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(c) 片想い…
design by Echizen
photo by mizutama

せつない ラヴレター つたない ことば やりきれない 日々… 


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 どんなに苦しいこと、哀しいこと、つらい出来事が積み重なって、母のたましいを作りあげていたか、ようやく今のわたしにも解かるようになってきた。
 もうすぐ立春を迎える冬の陽はもうすでに翳り、庭の木々の影を深くしていた。
「お庭はどうだった?」母は、わたしが「墓地」へ行っていたことを知っていた。
「ええ…」わたしは墓地が寒かったことを伝えようとしたけれど、母の背中のうすさに、何も言えなかった。
 わたしたちは抱きあったまま、しばらくはお互いの肩に顎をのせて、揺れていた。
「あ、そうだ…」わたしはつぶやくように言った。「門のところにある木のお花が、いい香りだった」
「……」母はわたしを見てほほえんだ。「そう…いい香りだった?」
「ええ、とっても!」わたしはそう言って母の眼を見た。母は痩せていたけれど、眼は宝石のように美しかった。一瞬のかがやきと、翳りとが交互に入れかわって、潤んでいくように見えた。


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