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Author:michianri
せつない 想い…
つたない ことばたち…
やりきれない 心…

『詩片日記…薔薇園…片想い』

第一章『詩片日記』
surrealiste
 hypochondrie
    ~prologue
       灰川道緒

第二章『薔薇園』
     
       鵜沓 綾

第三章『片想い』

       野川美千夫  

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    『薔薇園』     鵜沓 綾/うくつ りょう

 いつもその角を曲がると見えてくる、わたしのお家(うち)。母とわたしが十数年間暮らした家。こじんまりとして、可愛い屋根と、白い壁に赤い窓が開いていて、母がわたしにほほえむと、わたしは手をふって答えた…いつも、母の真白い髪の毛は、午後のくすんだ光のなかで、銀色に見えた。
 わたしの家の向かいには、立派な石柱の門のある墓地があり、その墓地のまわりは、背の高い木が囲んで、外界とは閉ざされた感じを受けた。門の鉄の扉も、薮で覆われていて、なかへ入るのにはとても苦労した。
 母には内緒で、わたしは時々その墓地を探検していたのだ。門を覆っているいばらをくぐって…ときには、腕や制服のスカートや、脚を引っ掻かれながら、棘のあいだをくぐり、なかへ入った。そこは別世界だった。古いお屋敷があって、その玄関までゆるくカーヴを描く道がつけられて、今は、その面影だけが残っていたのだけれども、わたしにはそのゆるやかなカーヴが見えた。門から少し行くと、右と左へ行く小道があり、ぐるりと墓地とお屋敷をめぐるように造られていた。ほとんどそれらの道は、残影のようでしかなかったが、わたしはこの道を以前から知っているような気がした。
 お屋敷は印象が暗いので、あまり近寄らなかったが、墓地は隅々まで探検していた。わたしがここを「墓地」と呼ぶのは、薔薇や小灌木のあいだに墓標のような石がいくつかあって、時々お花が供えられていたからだった。まったく人の気配はないし、だれともここで出遭ったこともないけれども、「墓地」にある薔薇の花や、道端の小さな草花の束が石のそばに添えられていたりした。


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