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michianri

Author:michianri
せつない 想い…
つたない ことばたち…
やりきれない 心…

『詩片日記…薔薇園…片想い』

第一章『詩片日記』
surrealiste
 hypochondrie
    ~prologue
       灰川道緒

第二章『薔薇園』
     
       鵜沓 綾

第三章『片想い』

       野川美千夫  

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せつない ラヴレター つたない ことば やりきれない 日々… 


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 このままではすまされないことは、わたしたちにもわかった。でも、どうするかは思いつかなかった。あの納骨堂の上にはかつてお墓が並んでいたのだろう。それを誰かが掘りあげて、火葬し、骨壷に収め、納骨堂にまとめたのか。それとも、もともと火葬しなければならない、なにかの事情、風習があったのかもしれない。風習ならば、この地の風土史に出ているだろう。事情だとすれば、灰川の血を、この地に滲ませないためなのかもしれないと、わたしは思った。
 なぜ納骨堂の上に家を建てたのだろうか。とてもありえない話だったが、父ならばやりかねないと思った。祖父の代まで、現在薔薇園になっているところに家があったと、伯母がわたしに言ったことがあった。たぶん父は薔薇園を作るために、反対の北側の角に家を建て直したのだ。伯母はお墓のことはなにも言わなかった。ほんとうにそこに先祖代々の墓地があったかどうかはわたしの想像にすぎなかったが、納骨堂の上に家を建てるなんて、わたしならしないだろう。家の位置と、薔薇園のためだけではない、この灰川家の因縁がそうさせたように思えた。
 父は灰川の血を嫌ったのだろうか。自分でも修正できない、悪因に満ちた、血筋。悪果が充満した、家系!それを封じ込めるために墓を掘りあげ、家を建てかえるときに、下になるようにわざと納骨堂を作ったのかもしれない。しかし、それは逆効果だった。先祖の骨の上に住んで、先祖の骨を上から踏みつけて、いいことになるわけはなかった。わたしでもそれぐらいのことは判断できる。父の所業は、灰川家の呪われた系統を断ち切るどころか、父自身の悪業を呼び、母や、わたしと姉までもその汚れた水に沈むことを強いたのだ。
 
 
 わたしたちは、父の部屋の納骨堂がある真上に、供養塔を建てることにした。古いお墓に見られる五輪塔を建てたのだ。それも部屋のなかに。それは納骨堂の上を踏まないようにするためでもあった。父の部屋のドアを入ると、異様な光景がひろがったが、父のためでもあり、先祖のためでもあった。
 納骨堂から持ってきた位牌はその五輪等に置いて、姉が花を供えた。わたしたちは、安堵した。これですべてが終ったように感じた。

 りょうも玲も、夜歩きまわることもなくなった。ふたたび平穏な日々が、灰川家に訪れた。

 りょうもすくすく育ち、五歳になった。わたしにも、玲にも似てきた。玲もわたしに似てきたのだ。いや、むしろわたしが玲に似てきたのかもしれない。姉とそっくりなわたしが玲の顔になるということは、姉も玲に似ているということだった。つまり、りょうを含めて、似たものが四人、顔だけではない、心を通じあい、身体も通じあい、一心同体の「家」を築こうとしたのだ。

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