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michianri

Author:michianri
せつない 想い…
つたない ことばたち…
やりきれない 心…

『詩片日記…薔薇園…片想い』

第一章『詩片日記』
surrealiste
 hypochondrie
    ~prologue
       灰川道緒

第二章『薔薇園』
     
       鵜沓 綾

第三章『片想い』

       野川美千夫  

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(c) 片想い…
design by Echizen
photo by mizutama

せつない ラヴレター つたない ことば やりきれない 日々… 


 …ふふふ、こいつは完全に混乱したな!わたしがどれだけお前たち親子を妬んでいたか知るまい!このわたしの計画がフィナーレを迎えて、もうすぐ完成するというのに、わたしをまだ「あや」だと思ってるなんて、間抜けな母親だ!わたしは正しい「りょう」であって、にせものの「りょう」ではないんだよ、お母さん、お母さま、ママ、あたしのママ!
 
 …ハハハ…わたしは父のような?いや、校長のような笑い方を知っていたんだ。下品なあいつらの面を見てるだけで反吐が出るんだ!だからみんな地獄へ送ってやったのさ。この背中のやけどを作ったのは、あのばか女、優子だったんだよ、聞いてる?ママ…わたしが腕を押さえられて、ベッドに押しつけられて、校長からレイプされてるとき、あの女はわたしの脚を持ってひろげやがった!ことがすむと、ストーブで焼いた包丁をわたしの背中に、記念だと言って押したんだ。くそ!人間の苦しみを知らないやつらめ!

 おまえたちもなんだよ!おまえとりょう、にせものの「りょう」…わたしがどんなに母親に、ほんとうの母親に逢いたかったか、おまえにはわかるまい、わたしは母親から切り離されて、どれだけその胸が、あたたかい胸が欲しかったか…わたしはひとりでいつも、ぽつんと、知らない家で、動かない、動けない長い旅をしていた…どこにも辿り着けない、どこにも待っている人もいない、長い旅、終わりの無い、旅を…知らない家の母は、わたしを叩くのが趣味だったんだ、いくどもいくども叩いては、わたしを熱いお湯につけて、教育だと、うなずいていた…そうなんだよ、ママ、わたしはあなたに…逢いたかった、ほんとうに、逢いたかった…ああ、遅い、遅すぎたんだ、もうだれも、わたしさえも、もとにはもどせない!…

 わたしは、ゆっくりと、母親の首を絞めた。絞めながら、お湯のなかへ沈めた。いくらもがいてもだめだよ、わたしの計画にかなう力なんて、どこにもないのだから!…母の口からたくさんの泡が出た。いくつもいくつも重なって、まるで人魚の息のようだ…そのうち、母は動かなくなり、長い髪の毛が、ゆっくりと、銀糸のように水の布のなかを沈んでいった…

 ああ…お母さん、ごめんなさい…わたしそんなつもりじゃなかったのに…わたしはあなたの子でしょ?あなたが産んだ、りょう?…あや?……わたしは…わたしは……


 …わたしは、そのままの姿で、お家を出て、お屋敷の墓地をさまよった…なんてすてきな気持ち、すてきな、夜…わたしは、生まれたてのようだった、生まれて暗闇に落とされた赤子のように、手足を振って、嬉しさを表した…薔薇の棘がいくつも身体を傷つけたけれども、それは、母の苦しみとはくらべものにならないほどのちいさなことだった…ああ、お母さん!母はどこ?あなたたち、知りません?…わたしは薔薇の木に青く光っている少女たちに聞いてみた…みんなそっぽを向いて、知らんぷりだった、でも、そんなことはどうでもよかった…お墓、お墓、お墓、わたしのお墓は?わたしのお墓はどこ?あなたたち、知りません?…みんなして、指差した…ちゃんとあるじゃない、ここに、わたしが座っていた、その石…お尻の下で、冷たくなっている、この石が、わたしのお墓?…お母さんは?お母さんのお墓は?…どこ?……
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