FC2ブログ

プロフィール

michianri

Author:michianri
せつない 想い…
つたない ことばたち…
やりきれない 心…

『詩片日記…薔薇園…片想い』

第一章『詩片日記』
surrealiste
 hypochondrie
    ~prologue
       灰川道緒

第二章『薔薇園』
     
       鵜沓 綾

第三章『片想い』

       野川美千夫  

カテゴリ

小説ブログ 長編小説へ
            人気ブログランキングへ              

リンク

このブログをリンクに追加する

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSリンクの表示

最新トラックバック

最新記事

最新コメント



(c) 片想い…
design by Echizen
photo by mizutama

せつない ラヴレター つたない ことば やりきれない 日々… 


        (九月四日 夜)
 月の光のさしこむ部屋のひと隅に、あなたを載せたアルバムをひろげた。あなたの顔がうかびあがってくると、ぼくはしずかに接吻した。顔をしだいに遠ざけると、月の姿があなたの写真に反射して、プラチナになった。ぼくの泪で、その輝きはにぶく、アメジストに変ってゆく…。
 これらの夜のひとときは、ぼくにとって、胸の痛みと、心のさびしさと、すべての思いの傷を癒すことのない、暗く甘く永い煩悶のとき。ふたたび月は青い薔薇となり、灰薔薇の列のなかにうかびあがった。
スポンサーサイト




月の光のような横顔…
彼女のくちびるに問いかけてみた…
しずかな光は誰のもの?…
彼女の眉をなぞってみた…
しずかなまなざしは、なぜ?
…やさしいぼくの指は、空を切って暗闇へ消えた…
やさしいくちびるの笑みに問いかけた…
月の雫とぼくの泪はおなじもの?
彼女の耳にそっとささやいた…
月の光とぼくの、この悲しみは、なぜ?…
…やさしく閉じたぼくの眼は、あなたを見ることをやめたけれども、瞼の裏のあなたの姿を見始めた…
月の光のような、横顔…
彼女のくちびるにぼくは、いくども問いかけた…
………
      (八月二十一日 夜)    
 ひとつひとつのことばが、どんな解答もぼくにあたえないように、ぼくのひとつひとつのため息はなにもぼくに、もたらさない。でも、あの人のひとつひとつのことばが、どのようなよろこびもぼくにあたえてくれるように、ぼくのひとつひとつの心の動きは、ぼくに、とても美しい幻影の波を見せてくれた。しずかに流れる時は、ぼくのひとつひとつの文字とともに進み、あの人の、ゆるやかにほほえみかけるくちびるのくぼみへ吸い込まれてゆく。
| HOME |