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michianri

Author:michianri
せつない 想い…
つたない ことばたち…
やりきれない 心…

『詩片日記…薔薇園…片想い』

第一章『詩片日記』
surrealiste
 hypochondrie
    ~prologue
       灰川道緒

第二章『薔薇園』
     
       鵜沓 綾

第三章『片想い』

       野川美千夫  

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(c) 片想い…
design by Echizen
photo by mizutama

せつない ラヴレター つたない ことば やりきれない 日々… 


         
葡萄の眼をして あなたが ぼくを見ている
ぼくは 食事をしようとしているけれど あなたといっしょに食べることが 嬉しい
あなたはぼくといっしょに ぼくの内臓の食事を 摂ってくれるだろうか…
葡萄の眼は 笑っているのか 甘い匂いがする
あなたの 葡萄の眼は 泣いているのか すっぱい腐臭がする
ぼくは 吐いた ぼくの内臓のうえに…
あなたの眼は 濁って 少しも 動かない… 
  
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     九月十日
 その日、一日中、薔薇園は強風に花びらが舞い、アルバローズとダマスクローズの香りが混在して、ぼくを惑わした。
 もうすでに父の代から三十年を経たこの薔薇園は、すべてのオールドローズを収めたピークを過ぎて、いまではぼくの愛すべき数百種の薔薇たちが、植えられていた。
 なかには、世間では聞きなれない名の薔薇もあったが、それはぼくのオリジナルローズだった。十代の頃、夢中になったE.A.ポーの小説の中の女性の名をあたえた薔薇がいくつかあった。そのひとつ「Morella」は、あのミス・ナンシー・リンゼイの語るところの「ルーシュ飾りをつけたようなくずれた花は、フクシャ色や紫色のルビーのように輝き、古いスペインヴェルヴェットのよう」な薔薇を母親に持っているせいで、ぼくがそっとその首を持ち上げるまで、いつまでも黙していた。
 でも、ぼくがこの薔薇の首をもぎとるときの、彼女の悲鳴は、薔薇園のすみずみまでもとどいて、他の二百年も古い薔薇たちを陶酔させるんだ。
   
美しい星々のなかで あなたの眼がいちばん美しい
星は 多くの夜があつまって輝いている
美しいあなたの眼は 夜を吐き出している
沈んでいく瞼の影に 夜の匂いが 漏れた
       九月九日
   『展開』
 ぼくがあの人に夢中になっているわけが、わかりました?
 こんなに好きだということは、どんな嫌悪よりも、吐き出すことばは強く、ぼくの身体と心の底を支配しているんだ。
 子供がみんなそうであるように、「展開」された蛙の腿のふくらみを思い出したぼくは、腕を半分ほど切りとるための、永い旅に出た。
 生けるたましいを、鎮めるために?または、死に逝くたましいを試みるために!

 
あなたの指にからむ ぼくのゴム紐は あなたの気持ちを しめつけることができずに 伸びて ぼくの指を さがしている
ぼくの 指に からむ あなたの 鰓状の執念は ぼくの 肢体 まるで動かない 肢体を まさぐりつづける

 
 あなたの姦計におちたぼくは 頭が融けはじめていた
 自らの罠にはまった 二本足の 蜘蛛のように…
      
…水を口からそそぎこんで 生気のまねごとをするぼくの肢体に あなたは たずねた
「このゴム棒は だれのものか?」… 
        
ぼくの尖茎は 曲がってしまって あなたのミズスマシの這いのぼってくるのが わからない
ぼくはただ あなたの窓によりかかって 奥の明かりの移動を 死んだふりして見ていたんだ
そして あなたが気づかないと 知っていたから つまり 鰓状のあなたの喘ぎを 喰ってやった…
延髄が ぴくぴくと鳴って 射精したら あなたはげらげら笑って 足を閉じた

     
ひらひらの貝の鰓が ぼくの舌なのか あなたのいらだちなのか 両手がふさがっているぼくには たしかめる術も ない…
    
    
お尻が見える位置に ぼくの鼻があるように 
指を伸ばすと あなたの開き窓が ぼくの 口のなかにあった

ぼくの右眼が 猛烈に痛い
…痛いという記憶が ただ かさかさと残っているのか…いや
あなたの舌が 眼の穴に 残っていた