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michianri

Author:michianri
せつない 想い…
つたない ことばたち…
やりきれない 心…

『詩片日記…薔薇園…片想い』

第一章『詩片日記』
surrealiste
 hypochondrie
    ~prologue
       灰川道緒

第二章『薔薇園』
     
       鵜沓 綾

第三章『片想い』

       野川美千夫  

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(c) 片想い…
design by Echizen
photo by mizutama

せつない ラヴレター つたない ことば やりきれない 日々… 


     七月十四日
 いつも日記には、ひとことふたことしか書かないので、この広い空きスペースに、ぼくの頭が壊れてしまうまえに、あなたのことを附記しておきます。
      
    『出逢い』  
 ぼくがあの人と出逢ったのは、ある薔薇園の、門から入ってすぐのところだった。そこに、女性がひとり横たわっていた。正確に言えば、Nの字の形に、はいつくばって、何か薔薇の根元をさぐっていたんだ。
 「どうかされたんですか」
 「いえ、大丈夫です」
 顔を上げることもなく、彼女は答えて、少しNの字がゆるやかになった。
 彼女の白い腕は、肩から先へすらっと伸びて、薔薇の木の影を宿し、まるで、ボナールの絵のようだと、ぼくは思った。
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ずいぶん 永い時がたってしまったように思える
あなたの住む星のそばを かすめるたびに 手を伸ばしてみるけれど 
                      
あなたの眼を思い出すたびに ぼくは 吐いてしまう
その眼の形をした 水のような吐息を
                    
だから あなたのことだけを 想うことはしない
あなただけを想っていると 風にはじけて開く百合のように 己の香りに惑い 花弁をそりかえらせて 陶酔してしまいそうだから 

いま 想うことは あなただけのことではない
あなただけを想っていると ぼくの頭は ほとんど 
        茫然とゆらぐ百合の蕾と 同じなんだ
                  
ぼくの見つめる眼を その抱衣で包み隠さねば ぼくの あなたを見つめすぎた眼は 融けてしまうかもしれない

           (抱衣/ほうい、いだくためのころも)

あなたは ビルほども大きな白弁を ぼくにください

 
この想いが あなたにとどくなら あなたの眼が流星となって この部屋に落ちてこい
 
   美しい眼のあなたへ 

 この夜、ぼくは色々と考えをめぐらせてみました。
 その考えのなかから滲み出てきたものは、嗚咽と哀しみと、思慕のため息という、日頃、心の隅に眠っているトカゲのような心情の花なのです。
 この花をあなたに捧げたからといって、ぼくが卑屈だなんて思うのはあまりにもぼくという心の眼を知らないからなのです。でもそれは、当然のことですよね。
 ただ、ここにあなたを想う魂が存在しているということを、露骨にはなりたくなかったけれど、伝えたかったのです。
 美しい眼の人。
 眼は心の先端を成しているけれども、あなたの眼の翳りのなかにある謎めいた光を、ぼくはそのまま受け入れることによって、その眼を愛するのです。
 眼は、心の先端とぼくは言ったかな?
 そうです。眼は心の末端でもあるのです。
 ぼくの眼が語るものは、あなたには伝わらないかもしれない。でもぼくは、この心の末端をいつまでも引きずって行くのかもしれない。
 最後に、あなたに遇えたことを感謝します。
 あなたの美しい眼を、ぼくの眼に重ねることを願って…
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